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1960年に初めてアメリカのMがルビーの結晶から光を発振することに成功して以来、この人工の光は歯科分野でも私たちにすばらしい恩恵をもたらしてくれるようになったのです。レーザーは赤外線というひとつの光線、レーザーは一つの光線です。
太陽の光、ネオンの光、電灯の光、これらはすべて目に見える光線です。紫色から赤色まで人の目に見える光線を可視光線といいますが、光線はなにも目に見える光線ばかりではありません。
紫外線、エックス線、ガンマー線、さらに遠赤外線も光線の仲間です。レーザーは、これら光線の仲間です。
レーザーは人工的につくり出された光線ですから、天然には存在しません。私たちの目の前には、あらゆる光線が飛び交っています。
人工的につくり出されたレーザーは一種の電波です。音も音波という空気の波です。

高さの高い波の音は大きな音で、低い波の音は小さな音となります。地震も波です。
同様に電磁波も波です。波長の長い波から短い波までいろいろありますが、波によってそれぞれ性質が異なります。
電波は波長の長いものからいうと、1000キロメートル(富士山の270倍)、100キロメートル〜1000メートル(無線、電話の波長)、1ミリメートル〜0.00001ミリメートル(赤外線)、0.0001ミリメートル前後の範囲(可視光線)、可視光線の10分の1程度(紫外線)、さらに短い波長(レントゲン線、X線、ガンマー線)といった具合です。人間が見える可視光線は、ほんの一部です。
一般に、波長が短い電波ほどエネルギーが強いことがわかっています。レントゲン線やガンマー線は波長が短く、エネルギーが強いので、人体にいろいろな影響を引き起こすことが知られています。
電波の中でも、レーザーは赤外線の領域に入ります。現在、治療に使われているのは、YAG(ヤグ)レーザー、炭酸ガスレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザーなどがありますが、それぞれ違った波長を持っています。
このレーザーの特長をうまく利用した治療には、アザやシミ、ホクロといった異常色素細胞を、皮膚にはまったくダメージを与えずにきれいに取り、治してしまう形成外科での治療や、耳鼻科では鼻炎やいびきの治療にも、このレーザーが大いに活躍しています。レーザーは人工の光線だといいました。
では、なぜ人工の光でどうして治療ができるのでしょうか。それは、医療で使われるレーザーには次のような特性があるからです。
光が一直線に進む。高エネルギーを持つ。
特定の波長を持っている。外科の手術でレーザーをメスとして使用し、人間の手ではできないような細部の切開を行うのですが、これはレーザーの一直線に進む性質と、高エネルギーによりメスの働きをする性質をうまく利用したものです。

歯科の治療でも初期の頃は、レーザーメスが歯グキを切開するためなどに使われていたのですが、現在使われているレーザーには、メスとしてだけではなく、レーザーの持つさまざまな特長をうまく生かした活用法があることが分かってきました。つまり、レーザーを照射することで、ムシ歯におかされているところを焼き飛ばしたり、殺菌することができるなど、レーザーそのものに無限の威力があることが分かってきたのです。
レーザーの持つさまざまなすばらしい特長をいろいろな歯科治療に応用し、患者様にとって不快感のない、快適な治療を実現させたのがレーザー最先端歯科治療だといえます。近年、欧米では、このレーザーによる歯科治療が脚光を浴びています。
レーザーの医学的応用に関する最先端の情報を持つもっとも代表的な機関は、米国の非営利機関、Bクリニックです。1982年、レーザーの医学応用研究機関として設立されたこの施設はUCI(カリフォルニア州立大学アーバイン校)医学部のキャンパス内にあり、レーザーによる最先端の医学的情報を世界中に提供するとともに、多くの患者様の治療に当たっています。
もちろん歯科医師も研究、治療に従事しています。歯科治療には、ヤグレーザー、炭酸ガスレーザー、半導体レーザーなどが使われますが、まず、このレーザーはどのようにつくられるのか、その仕組みを説明しておきましょう。
レーザーがつくり出される仕組みは次のようになります。まず、管の中にガスを入れ、管の両端に鏡をつけて一方を半透明の鏡にします。
そして管の中で放電すると、光を発します。放電した光は鏡に反射しながら、無制限にこの反射を繰り返します。
このとき、半透明の鏡から出てきた光がレーザーなのです。初めはいろいろな波長の光が入り乱れていますが、そのうち同じ波長の光の束になっていきます。
これがレーザーと呼ばれるものです。こうしてつくられたレーザーは、同一方向へ向かうという性質があります。
このときレーザーのパワーは弱くなりません。だから、雲を通過して月まで行っても同じ強さのエネルギーを持っているのです。
これがレーザーの最大の特長です。このエネルギーを持った光の束をレンズで集光させると、焦点のところは瞬間的に摂氏1000度以上の高温になります。

この温度で患部の水分を瞬間的に蒸散させるとともに、殺菌してしまいます。また、出血しているところに当てると、血液はすぐに固まり止まってしまうのです。
さらに、レーザーが当たる部分はほんの表面部分でしかも短時間であるため、神経のあるところまで達することはないので、痛い思いをすることもないわけです。殺菌能力、血液の凝固能力、無痛作用、これらの性質を医科の治療でうまく応用したのが、最先端のレーザー治療なのです。
最近の外科手術では「光のナイフ」と呼ばれるレーザーメスが使われることがよくありますが、これはレーザーによって一点に高エネルギー(光と熱)を集め、皮膚に照射しながら移動していくと、一点に集められたレーザーの光によって皮膚が切れていく仕組みです。しかもレーザーで切った皮膚は、レーザーの熱によってすぐに固まるので、出血を最小限にくい止めるというメリットもあります。
今までの通常のメスでは考えられなかったことです。レーザー治療は、ふつうの手術のように皮膚を切ったり縫ったりせずに、瞬間的に照射を行う治療ですから、出血も少なく、また傷跡も残る心配がありません。
また、医療用のレーザーは人工の光線ですから、X線や紫外線のような人体の副作用を心配する必要がないのです。いわば、レーザーは「体にやさしい光線」ということができます。
このようなさまざまなレーザーの特長をうまく生かして、最先端歯科治療が行われるのです。その最先端歯科治療の一つが「ヤグレーザー・パワーブレード治療」です。

通常のベアファイバーはファイバーから照射され、レーザー光は10〜15度の角度で広がる直進ビームです。そのファイバー先端での出力密度分布は中央が強いガウシアン分布となっています。
初めレーザーはこのような形状で出ていました。これは強い勢いでホースから出た水流のようなもので、切開やムシ歯の治療に向いています。
しかし、歯周病の治療にはあまり適していませんでした。これがさらに改善され、次にレザーポット加工といい、レーザーが散乱する形状で出るようになりました。
さらに進化したレーザーは、特殊なパワーブレード乳液を使い散乱照射をすることによって、軟組織の深部に影響を与える通常の直進照射を完全にカットします。

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